【ネタバレ注意】Doki Doki Literature Club! 翻訳 【開始~部室到着】
Steamに彗星のごとく現れたギャルゲー 「Doki Doki Literature Club!」 の翻訳をやっていこうと思う。誤訳があればぜひコメントください。
???:おーーい!!
やかましい女の子が前から手を振りながら駆けてくる。その姿は誰かの注目を引こうとしているのが明らかだ。
あの女の子は、俺の幼馴染のSayoriだ。
もうあんな感じの人間とは仲良くならないだろうが、あいつとは腐れ縁なのだ。
昔はよくこうやって学校に通ったものだったが、アイツは高校生になってから寝坊が多くなり、俺は待つのが嫌になってしまっていた。
しかしアイツが走って追いかけてくると、俺はなんだか逃げた方ががいいような気がするのだ。
だが俺は仕方なく、横断歩道の前でSayoriを待ってやる。
Sayori:ハァ……ハァ……
Sayori:また寝坊しちゃった!
Sayori:でも今日は追いついたもんね!
主人公:多分俺が待ってやったからだと思うけどな。
Sayori:その言い方、まるで私を置いていこうとしたみたいじゃない!
Sayori:ひどいよ!
主人公:変な動きをしてるお前とカップルに間違われたくないだけだ。
Sayori:そっかそっか。
Sayori:でも結局は待ってくれたんだね。
Sayori:冷たくあしらおうとしても、根はいい人だってちゃんとわかってるよ。
主人公:何とでも言え……
Sayori:えへへ~
俺たちは一緒に通学路を歩いて行った。
学校に近づくにつれ、他の学生たちもぽつぽつと現れてきた。
Sayori:そういえば……
Sayori:部活動はもう決めた?
主人公:部活動?
主人公:もう言っただろ、どの部にも入る気ないって。
主人公:探してもないよ。
Sayori:え!?噓だー!
Sayori:今年こそ部活を始めるって言ってたもん!
主人公:俺が……?
確かに、Sayoriとの他愛ない会話の中でそんなようなことを言った気もする。
Sayoriは、俺が暇なときはずっとアニメ鑑賞かゲームをしていることを、とても心配しているのだ。
Sayori:そうだよ!
Sayori:私はあなたが人と仲良くなる方法を知らないまま卒業しちゃうんじゃないか心配なの。
Sayori:あなたの幸せは私にも大切なの!
Sayori:今はそれでいいかもだけど、あなたがニートになるんじゃないかって心配で死にそうなの!もっと現実世界に適応しないと!
Sayori:こんなに心配してるんだよ?
Sayori:もうこれ以上私に心配かけないで……
主人公:わかったわかった。
主人公:お前のためにも、部活見学してみるよ。
主人公:確約はしないけど……
Sayori:少しでも努力するって約束して?
主人公:……わかったよ。
Sayori:わーい!
なんでこんなアホの子に説教されなきゃならんのだ?
こいつの言うことを聞く自分にも驚く。
おそらくコイツが俺のことを心配するのを見ると、落ち着かせてやりたくなるんだろう。(ここ怪しいので助けて!)
――――
学校はいつもと同じで、気が付くと終わっていた。
荷物をまとめ、俺は壁に向かってやる気を何とか出そうと試みていた。
主人公:部活かあ……
Sayoriは俺に部活見学をしてほしがっている。
アニメ研究会から始めるか……
Sayori:おーい?
主人公:Sayori……?
Sayoriは俺がぼうっとしている間に入ってきたようだ。
気が付くと教室には俺しか残っていなかった。
Sayori:教室から出てきたところを捕まえようと思ってたんだけど、なかなか出てこないから入っちゃった。
Sayori:正直、たまに私よりどんくさい人だよね、あなた……
主人公:部活に送れるんなら、待ってなくてもいいんだぞ。
Sayori:あなた、もうひと押し必要なんじゃないかと思って、だから……
主人公:だから?
Sayori:だから、私の部活においでよ!
主人公:Sayori……
Sayori:なーに?
主人公:お前と同じ部活に入るのだけはあり得ん。
Sayori:えー!?ひどーい!
Sayoriは文芸部の副部長だ。
Sayoriが文芸に興味があるなんて思いもしなかった。
まあ十中八九、新しい部活の立ち上げに参加するのがおもしろそうだと思ったのだろう。
コイツは『副部長になれる』と聞いて初めて入部に興味を持ったのだ。
とはいえ、俺の文芸への興味はコイツより薄いだろう。
主人公:俺はアニメ研究会に行くつもりだ。
Sayori:一緒に来て?ね?
主人公:なんでそんなに構うんだよ?
Sayori:だって……
Sayori:昨日部活で、『もし新入部員を連れてきてくれたら……
Sayori:Natsukiがカップケーキを作ってくれる』って……
Sayori:えへへ……
主人公:守れない約束をするんじゃありません!
Sayoriはただ頭が空っぽなだけなのか、それともすべて計算づくなのか……
俺は大きくため息をついた。
主人公:わかった……お前のカップケーキのために行ってやればいいんだな?
Sayori:うん!それじゃ、出発~!
――――
こうして俺は、カップケーキのために魂を売ったのだった。
俺は嫌々Sayoriについていき、校舎の中でも滅多に来ない場所――三年生の教室と特別教室がある所――に着いた。
Sayoriは元気よく、目的地のドアを開けた。